先日の記事では、アコースティック・ライブで歌わせていただいた2曲の”Ave Maria”のうち、『グノーの”Ave Maria”』について書きました。
今回はもう1曲の方、『カッチーニの”Ave Maria”』について書こうと思います。
と、なんだか出オチになるんですけど、
『カッチーニの”Ave Maria”』として紹介しますが
この曲の作曲者はイタリアの作曲家、カッチーニ(Giulio Caccini / 1545-1618)ではない説が非常に濃厚でして…!
ロシアのギタリスト/作曲家、ウラディーミル・ヴァヴィロフ(Vladimir Vavilov / 1925-73)が作った曲なんだそうです。
うーん、まぁ、確かに、この曲のメロディーは現代的であり、カッチーニの時代ではちょっとありえない(バロック音楽の頃、バッハお父さんよりも昔)感じですもんね…。
この作品の世界初録音は、メロディアから発売されていたヴァヴィロフのアルバム《ルネサンスのリュート音楽》に収められています。録音は1970年、16世紀の作者不詳の《アヴェ・マリア》としてクレジットされていますが、音楽は、今知られているものとほとんど同一のアレンジです(冒頭のリュートのソロの和音が少し耳新しい程度の違い)。リュートとオルガンの伴奏で、リュートはヴァヴィロフ自身が弾いています。
引用元: http://matsudaira-takashi.jp/analysis/vavilov/
と、この説の根拠としても捉えられる事実が書かれた記事を見つけました。
この”Ave Maria”、『グノーの”Ave Maria”』の歌詞はラテン語の祈祷文を使っているのに対し、
この曲の歌詞は”Ave” “Maria”の二語しかありません。
さらに、歌い手にとってはブレスがとんでもなく難しい曲であるあたり、
歌ありきの曲として書かれたわけではなく、元々はリュートで演奏するための曲だったと言われると、納得できちゃう部分もありますね。
まぁそれはいいんですよ。
とにかく。
この曲は、アコースティック・ライブの日のMCでも話しましたが、
イントロが神なのです…
そして歌に入る直前の下降していくベース音…
このたった4つの音で、天界の情景を描くような神聖さのイントロと、祈りを紡ぐ歌の部分をとてもうまく分断かつ導入していて、
さぁ、始まりますよ、という語りかけになっていまして(全部私の解釈です)。
グっときますね…(´;Д;`)
さらにさらに、絶妙な音域で始まる歌、ですよ。
この出だしの一音、超絶真剣勝負です。
この一音がこの曲の歌の印象のほとんどと言ってもいいかも、、、
ですので、この歌い出しがめちゃくちゃ決まってる『カッチーニの”Ave Maria”』を聞くと、そのたった一音だけで涙が出てしまいます(´;ω;`)
マリア様ぁぁぁあああぁぁ(´;ω;`)
この曲は先述の通り、歌詞が二語しかありません。
つまり、歌詞に感情表現をリードしてもらうことが不可能なため、
歌、音、声、歌い方(全部同じようで別物)で表現しなくてはならず、
これまた上述の通り、ブレスが大変困難な曲なので、
難易度は鬼レベル
です。・゜・(ノД`)・゜・。
もう一つ言ってしまうと、クラシックの曲は一番と二番は表現を変えないといけないルールがあるので、
この鬼難しい歌を二周も 考えながら歌わないといけないのですwwwww
誰や、この曲を最初に歌おうとしたのはwwwww
あほか!
めっちゃええやんけ。
というわけで、この曲も理想の完成度で歌えるようになるには相当な時間を要しますが、
演じてみないと始まらないので、この曲も私のレパートリーとして長く歌わせていただきたいと思っています。
数ある演奏動画の中でも、私が好きなこの曲の動画は、Elisabeth Kulman(エリザベス・クールマン)さんによる歌唱のものです。
聴いてください、この方の柔らかで包み込むような中音域…(´;Д;`)
とっても豊かな響きですよね。
メゾ・ソプラノでもいらっしゃるようなので、下からしっかり支えられた高音が大変心地よいです。
私があらゆる女性オペラ歌手の中で(そんなに沢山は知りませんが)一番大好きなCecilia Bartoli(チェチーリア・バルトリ)さんも、メゾ・ソプラノなので、
私はもともとメゾ・ソプラノ的な声質が好みなんでしょうね〜( ´ ▽ ` )
Diana Damrau(ディアナ・ダムラウ)さんも、ソプラノの中でも厚みのある声質をお持ちですし(が、儚い歌はめちゃくちゃ儚く歌える人なので訳がわかりません)!
ちなみに、私の声質そのものは、かのFabio Lione(ファビオ・リオーネ)先生からすると、ソプラノの高音域が出るけど、がっつりメゾ・ソプラノだそうです(`・ω・´)
※このエピソードはまた後日!
記事の最後の方は脱線してしまいましたが、
『カッチーニの”Ave Maria”』はとても素敵な曲なので、
誰が作ったかは問題ではなく、
みんなたくさん聴いてくださいね。
『三大”Ave Maria”』のうち2つについては紹介できましたので、また今度は残りの1つ、『シューベルトの”Ave Maria”』について書きたいなと思っています。
これも美しいんですよね〜(*´ω`*)
なお、今回のアイキャッチ画像はこの曲を演奏した時のものなのですが、
2番では私がメロディーをヴァイオリンで弾きました。
いずれの”Ave Maria”も、いろんな楽器の組み合わせ、調で演奏されることが多く、
メロディーをヴァイオリンで演奏される機会はピアノやヴォーカルと同じくらい多いように感じます。
私がヴァイオリンでメロディーを弾くことを決めたのは演奏前夜であり、
Halの唆しによって決定したので(笑)、
次の機会には一夜漬けでない演奏をお耳に入れることができたら良いな〜(・ω・)
ではでは、また(*´ω`*)